個別相談で、サービスの説明を最初から最後まで話します。
それでも相手の反応が薄いと、もっと説明を増やしたくなります。
ただ、セールスの最初の仕事は説明ではありません。相手の現在地と、解決したい課題を一緒に確認することです。
この記事で持ち帰ること
この記事では、考え方を知るだけでなく、自分の仕事で一度試せる状態まで進めます。読みながら、いま困っている場面を一つ思い浮かべてください。
- 相談前の不安を減らす
- 課題と条件を確認する
- 次の判断を一つにする
先に、この記事の結論
相談の流れは、次の3段階で設計します。
- 相談前に不安を減らす
- 相談中に課題と条件を確認する
- 相談後に次の判断を一つにする
1. 相談前に不安を減らす
何を話すのか、何分かかるのか、売り込まれるのかが分からないと、相談への心理的な負担が高くなります。
事前に書く相談で確認すること、所要時間、対象者、相談後の選択肢
2. 課題と条件を確認する
いきなり商品説明を始めず、現在地、目標、制約の順に聞きます。聞いた内容を要約して、認識を合わせます。
説明先行
- サービスの特徴を話す
- 料金を提示する
- 最後に質問する
確認先行
- 現在の停滞を聞く
- 変えたい状態を聞く
- 条件を確認して提案する
3. 次の判断を一つにする
相談後に複数の選択肢を並べると、相手はまた迷います。今の課題に対して、次に必要な行動を一つ提案します。
| 現在地 | 次の提案 |
|---|---|
| 課題がまだ曖昧 | 現状整理のセッション |
| 課題と目標が明確 | 具体的な設計・実装支援 |
| 自分で進められる | 教材や無料記事 |
3つの基準を、実務でどう使い分けるか
ここまでの要点は、三つを同時に満たすための標語ではありません。作業の段階ごとに使う判断基準です。順番を飛ばすと、手段だけが増え、何を改善したのか分からなくなります。
1. 相談前の不安を減らす
顧客の課題を事実で確かめる観点です。欲しいかという意見だけでなく、直近の行動、使った時間や費用、代わりに選んだ方法を確認します。
「相談前の不安を減らす」を確認するときは、判断を一文で書きます。根拠にした事実も隣へ置くと、別の選択肢と比べるときに迷いません。
2. 課題と条件を確認する
商品が生む変化を決める観点です。機能を並べず、顧客が何を早く、正確に、迷わずできるようになるかを書きます。対象外の顧客も明記してください。
「課題と条件を確認する」を確認するときは、判断を一文で書きます。根拠にした事実も隣へ置くと、別の選択肢と比べるときに迷いません。
3. 次の判断を一つにする
購入までの詰まりを特定する観点です。閲覧、理解、比較、相談、購入を分け、最も大きく減る一地点を直します。全体を同時に変えると原因を追えません。
「次の判断を一つにする」を確認するときは、判断を一文で書きます。根拠にした事実も隣へ置くと、別の選択肢と比べるときに迷いません。
変更前と変更後の間にある判断
変更前サービスの特徴を話す。料金を提示する。最後に質問する
変更後現在の停滞を聞く。変えたい状態を聞く。条件を確認して提案する
重要なのは、変更後の表現をそのまままねることではありません。何が曖昧だったために判断できず、どの情報を加えたことで次の行動を選べるようになったかを読み取ります。
自分の仕事へ置き換えるときは、固有名詞や数字だけを差し替えません。相手の状況、止まっている理由、決める必要があることを先に書き換えてください。
変更後の案が長くなった場合は、目的に直接関係しない説明を削ります。短さを優先するのではなく、判断に必要な情報だけが残っている状態を目指します。
手順ごとの確認点
「売り込む前に相談の流れを設計する」を実務で使うときは、次の手順を一度に終わらせません。各段階で短い記録を残すと、途中で迷っても一つ前の判断へ戻れます。
相談前に伝える安心材料を書く
最初の作業では、対象と出力を一文で書きます。固有の業務名、相手、利用場面のどれかが入っていると、次の手順で迷いません。
最初に聞く質問を一つ決める
二つ目の作業では、選んだ内容と理由を並べます。別の案を採用しなかった理由も一言残すと、判断基準が明確になります。
現在地・目標・条件の順に並べる
三つ目の作業では、今回扱う範囲を固定します。追加したくなった内容は別のメモへ移し、最初に決めた目的から外れないように進めてください。
提案を分岐させる条件を書く
四つ目の作業では、変更前と同じ条件で結果を確認します。差がなければ、対象の選び方と変更内容のどちらを見直すか決めます。
相談後の次の行動を一つ置く
最後の作業では、今回だけ通用した条件と、次回も使える判断を分けます。使える条件と使わない条件の両方を残してください。
結果が出ないときは、どこへ戻るか
閲覧数だけ増える
発信テーマと商品の約束が離れています。記事で扱う課題が、次に示す商品や相談で解決できるかを確認してください。
相談は来るが成約しない
対象者、価格、提供範囲のどれかが相談前に伝わっていません。相談で繰り返し出る質問を、導線の手前へ移します。
改善点を決められない
認知から購入までを一つの数字で見ないでください。段階ごとの人数を並べ、減少が最も大きい場所だけを改善します。
失敗は、最初からすべてやり直す合図ではありません。対象、根拠、変更、確認のうち、記録が途切れた場所だけへ戻ると改善を続けられます。
実践課題の完成条件
課題は「相談の流れを5行で書きます。」です。資料を作っただけでは完了にしません。次の四項目を第三者が読み取れる状態まで整えます。
- 誰の、どの業務や場面を扱ったかが一文で分かる
- 変更前の事実と、困っていた理由が分かれている
- 今回変えた箇所と、その判断理由が対応している
- 結果を確認する数字、行動、完成状態のどれかがある
説明を加えないと伝わらない場合は、情報量を増やす前に順番を見直します。第三者が「何を見て、何を変え、どう確かめるか」を説明できれば合格です。
仕事で使うときの確認順
一度にすべてを変える必要はありません。次の順番で確認すると、どこを直したかと、その変更が効いたかを追いやすくなります。
- いま困っている人、業務、場面を一つに絞る
- 変更前の状態を、数字または観察できる行動で残す
- この記事の判断基準を一つだけ使って変更する
- 同じ条件で変更後を確認し、次に残す改善を決める
よくある失敗
知識を増やすこと自体を目的にすると、実務は変わりません。また、複数の改善を同時に行うと、何が結果へ影響したか分からなくなります。最初は一つの場面、一つの変更、一つの確認指標に絞ってください。
実践課題
相談の流れを5行で書きます。
- 相談前に伝える安心材料を書く
- 最初に聞く質問を一つ決める
- 現在地・目標・条件の順に並べる
- 提案を分岐させる条件を書く
- 相談後の次の行動を一つ置く
課題を終えたら確認すること
完成物を一人に見せ、説明を足さなくても要点と次の行動が伝わるかを聞きます。伝わらなかった箇所は、情報を足す前に、順番と具体例を見直してください。
まとめ
セールスは、相手を説得することではありません。相手が自分の課題と次の選択肢を判断できる流れをつくることです。
- 相談前の不安を減らす
- 課題と条件を確認する
- 次の判断を一つにする

