AIに資料を任せたら、会社紹介が長くなり、肝心の費用と支援範囲が最後に詰め込まれた。
そんなときは、見た目を直す前に情報の順序を決めます。
このレッスンでは、前回整理した事実を使い、初回商談用の10枚の構成を作ります。
各ページで相手に何を理解してもらうかを一つずつ決め、本文に残す情報と口頭で補う説明を分けます。
完成するのはスライドの画像ではなく、制作の土台になる構成メモです。
この記事で学ぶこと
- 初回商談の目的から、説明する情報の順序を選べる。
- 各ページの見出しを、伝える内容が分かる文にできる。
- 事実と構成を照合し、10枚分の構成メモを保存できる。
相手が判断する順序で情報を並べる
説明の順序は、作り手が話したい順ではなく、相手が判断する順で組み立てます。
今回なら、自分に関係する課題か、何をしてもらえるか、現場は何をするか、条件に合うか、次に何を確認するかという流れです。
これは全ての営業に共通する正解ではありません。
初めてサービスを聞く責任者が、次回の現状整理に進むか決めるための仮の順序です。
例えば冒頭で「当社の強みは柔軟性です」と伝えても、何に困る人へのサービスかが分からないと、相手は自分に当てはめられません。
「メール対応の担当と引継ぎを整える」と先に示せば、現在の困りごとと照らし合わせられます。
その後で分類表や運用ガイドを説明すると、納品物が何のためにあるかも伝わります。
順序に迷ったら、各ページの後に相手が尋ねそうなことを書きます。
「誰が試すのか」という疑問が残るなら、流れの説明で顧客側の役割を示します。
ただし、架空の質問は構成を点検するための仮説です。
実際の顧客の発言やニーズとして記録しないでください。
確認できた質問があれば、次の版ではそちらを優先して並べ替えます。
10枚それぞれの役割を決める
演習では次の10枚を使います。
枚数を埋めるために新しい情報を加えるのではなく、相手の疑問を一つずつ解消するために分けます。
表紙も単なる名称の表示ではなく、誰のどんな仕事を支援する資料なのかを示すページです。
最終ページは、今回決めてもらう次の行動に戻ります。
3枚目では、素材にない売上減少や離職率を足しません。
7枚目も改善実績のページにはしません。
実績がないため、試行後に確かめる方法を示すページです。
10枚は今回の練習の枠であり、実務で必ず守る枚数ではありません。
自読用など条件が変わったときは、目的と必要な情報から再設計します。
- 1. 表紙:メール対応の担当と引継ぎを整える支援であると伝える。
- 2. 現状:担当割当と引継ぎのルールがない状況を示す。
- 3. 影響:責任者への確認が増えるという困りごとを整理する。
- 4. 解決の方針:既存のメールと表計算で運用ルールを整える。
- 5. 納品物:分類表、担当・引継ぎルール、管理シート、運用ガイドを示す。
- 6. 進め方:4週間の手順と顧客側の作業を示す。
- 7. 確認方法:担当未設定と引継ぎ確認の件数を記録する方法を示す。
- 8. 費用と範囲:24万円・税別と対象範囲を一緒に示す。
- 9. よくある疑問:準備するもの、既存の道具、対象外を確認する。
- 10. 次の行動:次回30分の現状整理に進むかを確認する。
見出しを伝える内容が分かる文にする
「サービス概要」「特徴」「導入効果」という見出しは、情報の種類を示します。
一方、「今のメールを使い、担当と引継ぎを整えます」なら、ページを読む前に内容の方向が分かります。
まず伝える文を作り、それを裏付ける本文を置いてください。
見出しだけ強くして本文が追いつかない場合は、見出しを事実に合う表現へ戻します。
架空の例として「4週間で問い合わせ対応を完全自動化」と書くと、素材にない約束が生まれます。
このサービスで行うのは運用ルールの設計で、返信するのは顧客です。
「4週間で分類・担当・引継ぎのルールを設計します」なら、支援範囲を保てます。
「完全」「必ず」などの強い語を外すだけでなく、何を行うのかを具体的に示すことが必要です。
AIには「各ページに、役割、伝える内容を1文にした見出し、根拠となる素材の項目を付けてください」と依頼します。
返された見出しを順番に読み、同じ話が重複していないか確かめます。
2枚目と3枚目が同じ文になるなら、状況とその影響を分けられているか見直します。
材料が足りなければ、表現を膨らませず、一枚にまとめる案も比較してください。
本文と口頭の補足を分ける
画面に置く本文は、その場で相手が確認すべき情報です。
口頭の補足は、理解を助ける例や質問です。
全ての説明を画面へ入れると文字が小さくなり、全てを口頭へ回すと後から判断材料が残りません。
今回なら費用の税区分、対象範囲、対象外、顧客が行う作業は、資料に残す側へ置きます。
短くするために重要条件を削らないでください。
費用ページの本文なら「24万円(税別)/4週間/1部署・窓口1つ・担当者5名まで」が核になります。
口頭では「対象の窓口と人数がこの範囲に収まるか、次回確認します」と補います。
価格の安さを印象づけるために月額へ分割したり、存在しない比較価格を添えたりする必要はありません。
計算上作れる数字でも、販売条件として確認されていなければ使いません。
構成メモには、本文に置く要点を三つ程度、話す補足を一つという形で仮置きできます。
ただし項目数は絶対条件ではなく、内容に応じて調整します。
読ませる資料として転送する予定なら、口頭補足に置いた理由も文章へ戻します。
そのときは文字を縮める前に、ページを分けるか補足資料を添えるか検討してください。
構成メモを素材と照合して保存する
構成を整えたら、AIへ「work/goal.mdとwork/brief.mdを読み、10枚の構成案をwork/outline.mdへ保存してください。各ページに役割、見出し、本文、口頭補足、根拠の項目を付け、まだHTMLは作らないでください」と依頼します。
ファイル名は半角英字でも中身は日本語で構いません。
前回の保存名を変えた場合は、実際の名前に合わせます。
確認は、目的、事実、重複の順で行います。
最終ページが契約申込みになっていないか、費用や週数が素材と一致するか、同じ説明を別の言葉で繰り返していないかを見ます。
例えば「顧客が3週目に試す」が「支援者が毎日運用する」に変わっていたら、見栄えの問題ではなく役割の誤りです。
そのページを元情報へ戻します。
最後に、各ページを一文で説明してみてください。
途中で「これを説明するには前の条件が必要だ」と感じたら、順序を見直す手がかりになります。
まだレイアウトを作っていないため、ここでは移動や削減が容易です。
構成が目的に合うことを確認してから次へ進むと、後で複数の完成ページを作り直す負担を減らせます。
完成した構成と未確認事項は同じ場所に残します。
実践課題
実践課題:10枚分の構成メモを保存する
つくるものは、10枚の役割・見出し・本文・口頭補足・根拠を記した構成メモです。
目的メモと事実整理メモを用意します。
まず上記の10枚へ情報を割り当て、次に見出しを一文にし、元情報と照合してからwork/outline.mdへ保存してください。
- 10枚へ情報を割り当てる。
- 各ページの見出しと根拠を書く。
- 目的と素材を照合して保存する。
架空の記入例は「8枚目/役割:条件に合うか判断する/見出し:1部署の窓口を4週間で整えます/本文:24万円(税別)、窓口1つ、担当者5名まで/補足:人数と窓口は次回確認/根拠:演習素材の価格・提供範囲」です。
実績の欄は創作せず、確認方法を説明する役割へ置き換えます。
自己確認
- 各ページの役割を説明できるか
- 数字と対象が元情報に戻れるか
- 最後が次回30分の現状整理につながるか
まとめ
初回商談の構成は、相手が判断する順序に合わせます。
各ページに役割と具体的な見出しを置き、本文に残す条件と口頭の補足を分けます。
演習の10枚は一例で、素材にない実績を加えるための枠ではありません。
保存した構成を素材と照合し、次は文字・色・余白のルールを決めます。
構成を先に確かめることで、見た目を直す作業と説明内容を直す作業を分けられます。
- 初回商談の目的から、説明する情報の順序を選べる。
- 各ページの見出しを、伝える内容が分かる文にできる。
- 事実と構成を照合し、10枚分の構成メモを保存できる。






