提案書に、自社の実績や機能をたくさん載せます。
情報が多いほど安心できますが、相手が知りたい課題や費用が後ろにあると判断しにくくなります。
提案書は、提供者の説明順ではなく、相手の判断順で組み立てます。
この記事で持ち帰ること
この記事では、考え方を知るだけでなく、自分の仕事で一度試せる状態まで進めます。読みながら、いま困っている場面を一つ思い浮かべてください。
- 何が課題か
- なぜこの方法か
- 何が変わるか
- いくらで何を決めるか
先に、この記事の結論
提案書は、次の四つの問いに答えます。
- 何が課題か
- なぜこの方法か
- 何が変わるか
- いくらで何を決めるか
1. 相手の課題を先に置く
最初に、打ち合わせで確認した課題を相手の言葉で要約します。課題の認識が合っていると、後の提案が自分ごとになります。
冒頭現状では、担当者ごとに作業方法が違い、確認に毎週時間がかかっている
2. 方法と理由をつなぐ
施策を列挙するのではなく、課題に対してなぜその方法が合うのかを説明します。実施しない選択肢にも触れると判断しやすくなります。
施策の列挙
- 研修を実施する
- マニュアルを作る
- 定例会を行う
課題との接続
- 判断のばらつきを減らすため研修する
- 日常で参照できる形にする
- 利用状況を確認し改善する
3. 条件と判断を明確にする
料金だけでなく、期間、相手側の協力、成果物、次の判断を明記します。社内で共有されても誤解が生まれない書き方にします。
| 項目 | 記載すること |
|---|---|
| 期間 | いつからいつまでか |
| 範囲 | 含むもの・含まないもの |
| 協力 | 相手に必要な準備 |
| 判断 | いつ何を決めるか |
3つの基準を、実務でどう使い分けるか
ここまでの要点は、三つを同時に満たすための標語ではありません。作業の段階ごとに使う判断基準です。順番を飛ばすと、手段だけが増え、何を改善したのか分からなくなります。
1. 何が課題か
読者の状況を決める観点です。属性だけでなく、読む直前に何をして、どこで止まっているかを書きます。読者が変われば、必要な説明と具体例も変わります。
「何が課題か」を確認するときは、判断を一文で書きます。根拠にした事実も隣へ置くと、別の選択肢と比べるときに迷いません。
2. なぜこの方法か
文章の役割を決める観点です。伝えたい情報ではなく、読後に理解、判断、行動してほしいことを一つ選びます。役割が二つある場合は、文章を分けます。
「なぜこの方法か」を確認するときは、判断を一文で書きます。根拠にした事実も隣へ置くと、別の選択肢と比べるときに迷いません。
3. 何が変わるか
読み手の迷いを減らす観点です。抽象語を場面と行動へ置き換え、結論に不要な説明を外します。短くすることより、判断の順番が通ることを優先してください。
「何が変わるか」を確認するときは、判断を一文で書きます。根拠にした事実も隣へ置くと、別の選択肢と比べるときに迷いません。
変更前と変更後の間にある判断
変更前研修を実施する。マニュアルを作る。定例会を行う
変更後判断のばらつきを減らすため研修する。日常で参照できる形にする。利用状況を確認し改善する
重要なのは、変更後の表現をそのまままねることではありません。何が曖昧だったために判断できず、どの情報を加えたことで次の行動を選べるようになったかを読み取ります。
自分の仕事へ置き換えるときは、固有名詞や数字だけを差し替えません。相手の状況、止まっている理由、決める必要があることを先に書き換えてください。
変更後の案が長くなった場合は、目的に直接関係しない説明を削ります。短さを優先するのではなく、判断に必要な情報だけが残っている状態を目指します。
手順ごとの確認点
「提案書は、相手の判断順に並べる」を実務で使うときは、次の手順を一度に終わらせません。各段階で短い記録を残すと、途中で迷っても一つ前の判断へ戻れます。
相手の課題を一文にする
最初の作業では、対象と出力を一文で書きます。固有の業務名、相手、利用場面のどれかが入っていると、次の手順で迷いません。
課題の原因を三つ以内にする
二つ目の作業では、選んだ内容と理由を並べます。別の案を採用しなかった理由も一言残すと、判断基準が明確になります。
提案する方法と理由を書く
三つ目の作業では、今回扱う範囲を固定します。追加したくなった内容は別のメモへ移し、最初に決めた目的から外れないように進めてください。
変化と条件を明記する
四つ目の作業では、変更前と同じ条件で結果を確認します。差がなければ、対象の選び方と変更内容のどちらを見直すか決めます。
最後に相手が決めることを一つ置く
最後の作業では、今回だけ通用した条件と、次回も使える判断を分けます。使える条件と使わない条件の両方を残してください。
結果が出ないときは、どこへ戻るか
最後まで読まれない
言葉の勢いではなく、冒頭の対象と読む利益を見直します。読者が自分向けかを三文以内で判断できる状態へ戻してください。
読まれても行動されない
読後の行動が広すぎるか、必要な条件が抜けています。誰が、いつ、何をすれば完了かを一文で示します。
説明を足すほど分かりにくい
情報不足ではなく順番の問題かもしれません。結論、理由、具体例、行動だけを抜き出し、その順で読めるか確認します。
失敗は、最初からすべてやり直す合図ではありません。対象、根拠、変更、確認のうち、記録が途切れた場所だけへ戻ると改善を続けられます。
実践課題の完成条件
課題は「提案書の見出しを判断順に並べます。」です。資料を作っただけでは完了にしません。次の四項目を第三者が読み取れる状態まで整えます。
- 誰の、どの業務や場面を扱ったかが一文で分かる
- 変更前の事実と、困っていた理由が分かれている
- 今回変えた箇所と、その判断理由が対応している
- 結果を確認する数字、行動、完成状態のどれかがある
説明を加えないと伝わらない場合は、情報量を増やす前に順番を見直します。第三者が「何を見て、何を変え、どう確かめるか」を説明できれば合格です。
仕事で使うときの確認順
一度にすべてを変える必要はありません。次の順番で確認すると、どこを直したかと、その変更が効いたかを追いやすくなります。
- いま困っている人、業務、場面を一つに絞る
- 変更前の状態を、数字または観察できる行動で残す
- この記事の判断基準を一つだけ使って変更する
- 同じ条件で変更後を確認し、次に残す改善を決める
よくある失敗
知識を増やすこと自体を目的にすると、実務は変わりません。また、複数の改善を同時に行うと、何が結果へ影響したか分からなくなります。最初は一つの場面、一つの変更、一つの確認指標に絞ってください。
実践課題
提案書の見出しを判断順に並べます。
- 相手の課題を一文にする
- 課題の原因を三つ以内にする
- 提案する方法と理由を書く
- 変化と条件を明記する
- 最後に相手が決めることを一つ置く
課題を終えたら確認すること
完成物を一人に見せ、説明を足さなくても要点と次の行動が伝わるかを聞きます。伝わらなかった箇所は、情報を足す前に、順番と具体例を見直してください。
まとめ
提案書の役割は、自社を詳しく説明することではありません。相手が課題と条件を確認し、次の判断をできるようにすることです。
- 何が課題か
- なぜこの方法か
- 何が変わるか
- いくらで何を決めるか

