研修テキストは、情報をきれいに並べるだけでは完成しません。
受講者が説明を読み、手を動かし、自分の回答を確かめられることが必要です。
このコースでは、架空の社内勉強会を題材に、A4縦8ページの教材を作ります。
到達行動、説明、練習、解答をつなぎ、編集できるHTMLと印刷用PDFをそろえましょう。
この記事で学ぶこと
- 受講後にできる行動と判定方法を決める。
- 読む・書く・確かめる時間を配分する。
- 教材と作業フォルダを準備する。
「理解する」を確かめられる行動に変える
最初に決めるのはページの色ではなく、受講後に何ができるかです。
「案内文について理解する」では、読むだけでよいのか、実際に書ける必要があるのかが分かりません。
今回の見本では「元情報の6項目を正しく転記し、不明な項目を補わず、公開できるか判断する」を到達行動にします。
実際の送信や公開は行いません。
教材の中で案内文を作り、解答と照合するところまでが範囲です。
行動には判定方法を組み合わせます。
6項目が合っているかは元情報と一項目ずつ比べます。
不明な会場を勝手に埋めていないかは回答欄を読みます。
公開判断は、会場が未確定なら保留と書けているかで見ます。
「なんとなく分かった」という感想だけでは、三つの行動を確かめられません。
試読時も、感想の前に作成物と判断の理由を残してください。
目標を広げすぎると、必要な説明も増えます。
この8ページでは、イベントの集客戦略、メール配信ツールの操作、法務上の承認までは扱いません。
自社の教材に変えるときは、担当者の実務に必要な行動を一つ選び、その判定に直接使わない情報を外します。
対象外も書いておけば、AIが関連する知識を大量に追加するのを防ぎやすくなります。
学ぶ人と使う場面を具体的にする
想定受講者は、社内案内を初めて作る事務担当者です。
文章は読めても、情報をどの順で照合するかはまだ知りません。
専門用語の定義から始めるより、元情報、完成例、練習問題を順に見るほうが今回の課題へ入りやすくなります。
ただし、これは制作時の仮説です。
実際の受講者が同じ順番で迷わず進めるかは、後半の試読で確かめます。
受講環境も学習内容と同時に決めます。
見本はPCでHTMLを開いて記入する方法と、A4のPDFを印刷して手書きする方法に対応します。
スマートフォンでは内容を読めますが、長い回答の入力や教材の編集はPCを基本とします。
講師が横で説明しなくても進められるように、各問題には参照する情報、書く内容、答え合わせをするページを明記します。
同じ教材を集合研修で使う場合は、個人作業と全体解説の時間を分けてください。
講師が解答を先に読み上げると、受講者が自力で判断できたか分からなくなります。
制作シートへ「誰が、何を見ながら、どこまで一人で進めるか」を書き、教材の説明で支える範囲と、講師が支える範囲を決めましょう。
講師の口頭補足だけに重要条件を置かないことが大切です。
完成物をページ数だけで定義しない
提出物はA4縦8ページのHTMLと、その最終版から書き出したPDFです。
中身には目標、元情報、手順の説明、完成例、二つの練習、解答と判定基準、実務用の確認表、振り返りを含めます。
8ページあるだけでは合格ではありません。
問いに答えるための情報があり、解答が設問と一致し、回答を書き込める余地があることまで確認します。
編集できるHTMLとPDFの役割を分けてください。
HTMLは文章や回答を書き換えて保存する編集元です。
PDFは印刷と閲覧のための出力です。
この見本のPDFには入力フォームがありません。
PDF上で直接回答できるとは案内しないでください。
また、Wordファイルへの変換も今回の対象外です。
必要な編集形式が決まっている実案件では、制作を始める前に形式を変更します。
教材の配布セットには、制作シート、工程ごとの指示文、失敗と修正の例も入っています。
これらはAIへの依頼を再現するための補助です。
完成見本をそのまま提出するだけで終わらず、目標か対象者を一つ変え、それに伴って説明と練習がどう変わるか考えてください。
見た目の差し替えだけでは、研修テキストを設計する練習になりません。
学習時間は仮の配分から始める
完成見本の学習時間は30分を想定し、ページごとに2、3、4、5、6、5、3、2分を置いています。
これは実測結果ではありません。
ページ4と5で書く時間を確保し、ページ6で解答と理由を確認する配分です。
制作作業そのものが30分で終わるという意味でもありません。
コースを読む時間、AIで生成する時間、修正や試読の時間は別に必要です。
配分を考えるときは、文章量だけで判断しません。
短い設問でも、元情報へ戻って比較する作業には時間がかかります。
空欄が大きいページにも、回答を考える時間が必要です。
「説明を読む」「自分で書く」「解答と比べる」を別の作業として見積もると、読む時間だけで研修を埋める失敗を避けられます。
初稿の時間は仮と明記して、後から実測欄を追加してください。
試読で時間を超えたときも、文字を小さくしてページを詰めることが解決とは限りません。
不要な説明を減らす、練習を一つに絞る、研修時間を延ばすなど、目標を守れる方法を選びます。
早く読み終わったことと、正しく行動できたことは別です。
所要時間と回答の正確さを並べて記録し、どちらを改善する必要があるか判断します。
制作環境と無料教材を準備する
ページ下部の無料配布セットを保存し、ZIPを展開して「はじめに.html」をPCのブラウザーで開いてください。
8レッスン、制作シート、完成見本へ進めます。
まず完成見本のHTMLを開き、編集ボタンで短い文字を変更し、「HTMLを保存」で別ファイルを保存します。
そのファイルを開き直し、変更が残っていることを確認してから制作へ進みましょう。
AIで制作する場合は、ファイルを読んでHTMLを書ける環境を用意します。
Codexを使う手順は公式クイックスタートで確認できます。
ログイン、インストール、利用枠は受講時の条件を確認してください。
教材費は0円ですが、AIの利用料や利用制限まで無料と保証するものではありません。
無料枠が使えない場合でも、配布HTMLの編集と印刷の練習は進められます。
作業フォルダには元情報、構成、HTML、PDF、確認記録を分けて置きます。
元情報は複製して使い、受講者の個人情報や社外秘をそのままAIへ渡さないでください。
今回の題材はすべて架空です。
実務へ置き換えるときは利用できる材料だけを用意し、未確定の情報を目印付きで残します。
ここまで準備できれば、次は教材の根拠になる情報を整理できます。
実践課題
実践課題:制作の完了条件を書く
制作シートへ、受講者、受講後の行動、判定方法、利用環境、対象外を書きます。
続いて完成見本を開き、HTMLの編集と保存を試してください。
保存したファイル名と開き直した結果も残します。
教材を作る作業と、完成した教材を受講する作業を混同しないように、それぞれの時間を別欄へ書きましょう。
- 受講者と到達行動を制作シートへ書く。
- 完成見本の8ページを通して見る。
- 作業用コピーを保存する。
記入例は「初めて社内案内を作る人が、6項目を元情報と照合し、会場不明なら公開を保留できる」です。
判定には練習1の訂正と練習2の下書き・確認質問を使います。
30分は学習時間の仮配分です。
AIの利用準備や教材制作の所要時間はまだ未計測と書きます。
端末で保存できなければ、その状態を完了にせず、ダウンロード先を確認してから再実行します。
自己確認
- 受講後にできる行動と判定方法を決める。
- 読む・書く・確かめる時間を配分する。
- 教材と作業フォルダを準備する。
まとめ
研修テキストの完成条件は、きれいな8ページを作ることだけではありません。
受講者が何を行い、その結果を何で確かめるかが必要です。
目標、対象者、環境、提出形式、想定時間を制作シートへ残しましょう。
編集元と印刷用PDFを分け、保存を試しておけば、次の工程で材料や設問が増えても、何のための教材かに戻って判断できます。
- 受講後にできる行動と判定方法を決める。
- 読む・書く・確かめる時間を配分する。
- 教材と作業フォルダを準備する。






