営業資料の相手と商談後の行動を決める
行う > AIでつくる営業資料コース > レッスン1/8
商品について話したいことを並べても、相手が次に何を判断すればよいか分からない資料になることがあります。このレッスンでは、営業資料を作る前に、読み手、説明する場面、商談後の行動を決めます。デザインやAIの経験は問いません。用意した架空サービスを使い、制作の目的を短いメモにするところから始めます。できたメモは、後の構成や修正で迷ったときの判断基準になります。
学習目標
- 初回説明と個別提案の目的の違いを、具体的な行動で説明できる。
- 読み手と利用場面から、資料に必要な情報を選べる。
- 練習用の材料を用意し、商談の目的を1文で保存できる。
目次
- 初回説明で決めてもらうことを絞る
- 読み手の役割と利用場面を具体化する
- 架空素材と完成見本を確認する
- 制作する環境と保存先を準備する
- 制作の目的を1文にして保存する
- 実践課題:商談の目的を保存する
- まとめ:目的を次の判断基準にする
初回説明で決めてもらうことを絞る
営業資料の目的は、毎回その場で契約してもらうこととは限りません。まだ商品を知らない相手なら、まず自分の課題に合うサービスか判断する段階です。比較検討中なら、費用や提供条件の違いを確かめたいかもしれません。商談の段階によって必要な説明が変わるため、制作を始める前に今回の終わりを決めます。「商品を分かってもらう」だけで止めず、その理解を使って何を選ぶかまで書いてください。
今回の演習では「問い合わせ窓口 整理プログラム」という架空サービスを扱います。メールで問い合わせ対応をするチームの責任者へ、担当と引継ぎのルールを整える支援を説明します。初回商談の目的は、対象として合うか確認し、次回30分の現状整理へ進むか判断してもらうことです。サービス自体の提供期間である4週間と、次回打合せの30分は異なる条件です。
「会社全体の導入を決めてもらう」と書くと、全社の費用や体制まで説明が必要になります。今回の材料にはそこまでの情報がありません。目的が大きすぎる場合は、必要な根拠を集めるか、今の材料で判断できる範囲へ戻します。小さい行動なら何でもよいのではなく、相手の課題解決につながる次の確認を選ぶことが大切です。
読み手の役割と利用場面を具体化する
読み手を「企業」「経営者」とだけ決めても、何を説明すべきかは定まりません。同じ会社の人でも、現場担当者は日々の作業、責任者は役割分担、決裁者は費用や導入条件を気にすることがあります。役職だけで関心を断定せず、今回の相談内容や利用場面と合わせて考えます。まだ聞いていない関心は仮説として残し、確認した事実と区別してください。
演習の読み手は、複数人によるメール対応を管理する責任者です。説明する場面は10分程度のオンライン商談です。この条件なら、担当をどう決めるか、現在のメールを使えるか、現場は何を準備するかが説明候補になります。一方、支援者の経歴や一般的な業界論を長く入れると、相手が判断する条件へ届く前に時間を使い切ってしまいます。
口頭説明用と、資料だけが転送される場合も分けます。話者がいるなら、詳しい例を口頭で補えます。しかし費用の税区分や提供範囲まで口頭だけにすると、後で資料を見た人に条件が伝わりません。重要な契約条件は本文へ残し、補足だけを発話へ回します。自読用なら説明の理由も書き、必要に応じて枚数を増やす判断が必要です。
架空素材と完成見本を確認する
演習素材には、サービスの対象、内容、期間、費用、対象外が書かれています。これは教材用の設定で、川合のサービス価格や実際の実績ではありません。自社版へ置き換えるときに24万円という金額だけを残さないよう、最初から「架空素材」と分かる名前で管理します。元情報と完成資料を区別すると、AIが事実を追加していないか確認しやすくなります。
完成見本をブラウザーで開き、最初と最後のページを見てください。表紙は問い合わせ対応という課題を示し、最後は次回の現状整理を案内しています。間には支援内容、流れ、費用、よくある疑問があります。まずは細かな色や位置をまねるより、表紙の約束が最後の行動につながっているかを観察します。
見本は完成形の一例です。同じ指示をAIへ送っても、常に同じ配置になるとは限りません。このコースでは、必要な情報が揃い、読む順序が分かり、実際に説明できるかを完成条件にします。見本を開けない場合はPDF版で内容を確認できます。PDFは閲覧・配布用で、文字を直すときはHTMLまたは元の原稿を使います。
制作する環境と保存先を準備する
このコースの制作経路は、PC上のCodexとブラウザーです。AIへ文章で指示し、ブラウザーで開けるHTML資料を作ります。HTMLは画面の内容と見た目を記述するファイルですが、受講者がコードを手入力する必要はありません。今回はPowerPoint形式の納品を扱いません。職場で編集可能なPowerPointが必須の場合は、この形式でよいかを先に確認してください。
OpenAI公式のセットアップに従い、アプリへサインインしてCodexを選びます。PCに「営業資料の練習」というフォルダを作り、配布ZIPのfreeフォルダにある「演習素材.md」をコピーします。その練習フォルダを開いてチャットを始めてください。操作名はアプリの更新で変わることがあるため、表示が違う場合は公式案内を優先します。教材費は0円ですが、AIの利用枠は別です。利用条件を確認し、上限に達した場合は作業を保存して再開します。
最初に「このフォルダの演習素材.mdを読み、サービス名だけ教えてください」と送ります。正しい名称が返れば、材料を読めています。見つからない場合は、開いているフォルダとファイルの場所を照合するか、チャットへ添付します。広いPC内の探索を頼む必要はありません。練習では架空素材を使い、自社情報を扱う際は職場で認められた資料と環境を使ってください。
制作の目的を1文にして保存する
目的は「誰に、どの場面で、何を判断してもらうか」の形にします。演習なら「メール対応チームの責任者に、10分の初回商談で支援範囲を説明し、次回30分の現状整理に進むか判断してもらう」です。この文があると、AIが契約を急がせる締め方に変えたり、詳しい運用マニュアルを本編へ詰め込んだりした場合に、元へ戻す理由を示せます。
次に、今回扱わないことを一つ書きます。例えば「全社導入の承認は求めない」とすれば、初回の範囲が明確になります。ただし、費用を聞かれたくないから省く、といった作り手の都合で重要条件を外さないでください。相手が対象として合うか判断するための情報は、短くても必要です。目的の限定は、判断材料の隠蔽とは違います。
Codexへ「いま決めた読み手、利用場面、最後の行動、今回扱わないことをwork/goal.mdへ保存してください」と頼みます。作成されたファイルを開き、自分が決めた内容と一致するか確認します。workは途中のメモを入れるフォルダ、.mdは文章を保存する形式です。フォルダがなければ作成も依頼します。保存できない場合はテキストメモに残し、次回は添付するか、work/goal.mdとして保存し直してください。重要なのは、その場の会話だけで目的を見失わず、次の工程で同じ基準を参照できることです。
実践課題:商談の目的を保存する
つくるものは、読み手・利用場面・最後の行動を記した目的メモです。演習素材と完成見本を用意し、まず対象者が何を判断する商談か考えます。次に目的を1文にし、今回扱わないことを添え、Codexへ保存を依頼します。保存後は実際のファイルを開いて内容を確かめてください。
架空の完成例は「読み手:メール対応チームの責任者。場面:10分のオンライン初回商談。判断:次回30分の現状整理へ進むか。今回は求めないこと:全社導入の承認」です。読む人を「全ての企業」に広げず、素材にある相手から始めます。
自己確認は、相手の役割が具体的か、最後の行動を一つ説明できるか、保存した内容が自分の意図と一致するかの3点です。まだ決められない箇所は、AIの推測で埋めず、未確認として残します。
まとめ:目的を次の判断基準にする
営業資料の出発点は、商談で相手が行う判断です。読み手の役割と利用場面を具体化し、その判断に必要な情報を選びます。完成見本は到達点の参考にし、同じ外見を再現することだけを目標にしません。保存した目的メモを基に、次はサービスの事実と未確認事項を整理します。練習用フォルダと素材を用意し、AIが目的のファイルを読めることを確かめてから進んでください。
関連note:さらに深めたい方へ
このレッスンの実践は無料本文で完結します。以下は川合の関連記事で、有料記事を含みます。閲覧・購入条件はリンク先で確認してください。
【AI社員の設計】連携より、使える成果物〜Codexに仕事を任せるファイルと依頼文〜
AIへ渡す目的と完成条件を、仕事のメモとして整理したい方へ。【初心者向け】Codexの教科書
Codexへ仕事を頼むときの、目的・作業範囲・確認の考え方を補いたい方へ。【プロンプト公開】メモからスライド生成まで迷わない2段階の仕組み
資料づくりを、構成と生成の工程に分けて捉えたい方へ。
チームの資料制作へ取り入れたい方へ
自社の資料、制作で止まっている工程、参加人数を整理すると、必要な支援を相談しやすくなります。研修や継続支援の内容はAI RUNの法人研修・AI導入支援で確認できます。受講・購入は、この無料レッスンを進める条件ではありません。
操作説明の確認基準日:2026年10月8日。画面名や利用条件は公式案内と実際の表示を優先してください。